- 重要度
- 重要度:高 実際に被害が出た事例
- 公表日
- 2026.08.31
- 原因の分類
- 侵入口未公表
- 対策可能性
- 判定保留
この記事の3行まとめ
- 2026年4月21日、市立奈良病院で電子カルテなどが使えなくなった
- サイバー攻撃ではなく、監視装置が通常の通信を自動で遮断した
- 病院は自動更新を止め、不要な外部接続経路の閉鎖を進めている
2026年4月21日夜、市立奈良病院でセキュリティ監視装置が院内通信を遮断し、電子カルテなど複数のシステムが停止した。救急受入れは約53時間止まり、予定手術56件のうち18件が延期された。専門家会議は、装置のソフトウェア自動更新を機に監視対象が633台から1,954台に増え、それまで監視されていなかった通信が平常時からの逸脱と判定されて遮断が連鎖したと整理した。サイバー攻撃ではなく、侵害の痕跡も確認されなかったとされる。
確認された経路・公表元の推定
- 何らかの要因で、一部の院内通信が一定期間十分に監視されない状態になっていた可能性が確認された。
- 4月21日夜、セキュリティ監視装置のソフトウェアが自動更新され、装置が再起動した。
- 再起動を契機に、監視対象の端末等が633台から1,954台へ約3倍に増えた。
- それまで十分に学習されていなかった院内通信が平常時のパターンからの逸脱と判定され、装置が自動で遮断した。
- 複数のシステムで警報と遮断が相次ぎ、電子カルテを含む病院情報システムに影響が広がった。
根拠の要点
根拠は市の専門家会議による検証で、更新履歴・各種ログ・事業者と病院への聞き取りが用いられた。原因は、自動更新を契機とした監視対象の増加と自動遮断の連鎖とされる。過去に監視状態が変化していた具体的な原因は、ログの保存期間の制約から特定に至っていない。侵入口は資料に示されていない。
資料の基準時点:2026年8月31日更新時点
当時、対策できたのか
判定保留
資料は、攻撃時点の既知の脆弱性や設定の欠落を示していない。再発防止策の方向性は妥当と評価されている一方、判断基準や対応手順の具体化が必要とされている。攻撃時点の防御条件の全体は示されていないため、対策の欠落を確認したとは言えず判定保留とした。
公表された対策
- セキュリティ監視装置の自動更新を停止し、手動更新への変更を進めている。
- 更新後の通信状況を一定期間確認する。
- 外部から接続できる経路を点検し、不要なVPNなどを閉鎖する。
- 保守用アカウントを棚卸しし、不要なアカウントを整理する。
- 管理者権限、保守接続、端末防御などの対策を次期システム更改に反映する。
まだ分からないこと
- 過去に監視状態が変化していた具体的な原因は、詳細ログの保存期間に限りがあり特定に至っていない。
- 侵入口や攻撃者に関する記載はない。患者情報や診療記録の改ざん・漏えい、ウイルス感染、バックドアの痕跡は確認されなかったとされるが、調査の詳細は本文に書かれていない。
- 初回の公表日は資料に明記されておらず、本文は2026年8月31日に更新されている。
- 詳細は報告書【概要版】(PDF)にあるが、本文からは内容を確認できない。